なぜか京都で芝居に出ているという話

【 代役で初日まで三日 / 東京→京都で芝居を作る という話 】

※少しネタバレがありますが、観劇の妨げにはほっとんどなりません。
※マトリックスは仮想現実を舞台にした映画である、レベルのネタバレです。


 というわけでやっとこ色々と呟いたりお知らせしたりする余裕ができました。

 僕は今京都におります。

 春の京都、いいですね。

 月曜日から京都にいるのですが、桜も咲き、気候も過ごしやすくなり本当にいい時期だと思います。




 ただぜんっぜん観光してねえけどな!!!!!!!




 そんな余裕全然なかったけどね!!!!!!




 というわけで、観光ではありません、僕は今京都で公演の本番を行っているんです。
 アガリスクエンターテイメント『時をかける稽古場2.0』という公演に、急遽、本当に急遽、参加しております。

http://tokikake2.agarisk.com/?page_id=242/#kyoto

 普通はこういう話を対外的に話すべきではないですし、お客様の観劇の妨げになってはいけないと思っているんですが……こと今回に関しては声を大にしてこの情報を言います!

なぜならその方が面白く観られるという稀有な作品だから!!!!

 
 そもそものは土曜の夕方にアガリスク主宰の冨坂さんから電話が僕のところに来たところから(僕目線では)始まります。


 最初は「お、次回公演のオファーかな」と思い、ちょっとワクワクしながら話し始めたんですが、



「さいとう篤史が病気降板になりまして……」  というあたりから雲行きが怪しくなり(なんの報告なんだろう?と思っていた)


「急遽、京都公演に出てもらえませんか?」  という話をきいて、まあいけるかなぐらいに思っていたんですが(京都公演の日程を把握していなかった)



「週明け火曜日から日曜日まで本番で、僕らは明日の夜に東京を発つんですが、来られますか?」




…………ええ?


 

 その時点で時刻は18時。東京発までのタイムリミットは26、7時間。
 次の日はもちろん労働があり、なんなら月曜以降も何かしら予定はある。
 っていうか何より『時をかける稽古場2.0』は2時間の芝居でしかもさいとう篤史さんの役は2時間ほぼ出ずっぱり……。


 というわけでOKしました。


 さすがに予定の関係で月曜の昼までは東京にいて(なんなら働いて)夕方新幹線で京都へと向かい、夜にリハーサルに参加したわけですが。

夜、京都の宿で寝ながら「俺はなぜ今ここでこうしているんだろう……?」と一瞬わけがわからなくなりましたね。


 っていうか「ちょうど一週間前に俺、この作品観劇してんだよなあ」って。


 月曜観劇、土曜オファー、月曜上洛、火曜本番ですからね。


 羽化したあとのセミのような濃密すぎる一週間 (しかも後半部分の密度がやべえ)



 そしてこのスケジュールが、また面白いというか、すごい偶然の産物でして。

 さきにも言及した通り、普通だったらこんな風に降板から代役の流れなんてお客様、というか外部になんて詳細に語りません。語りませんよ?

 でもねえ、そもそもこの作品が……!


「遅筆の劇作家のせいで公演ギリギリまで台本があがらない」という状況で時間移動を駆使してどうにか幕を開けようとするというあらすじで……。


「作中で役者が実際に降板するというネタがあり」……。


「本番三日前に台本が来てみんなで右往左往するというくだりがあり」……。

 
 そんな中での、コレ、です。

 作中自分の役の台詞で「明日本番とかムリっすよおっ!!!」と叫んでいるんですが、リハーサルで口にしながら「無理じゃねえし、お前の今の状況なんだよ!!!」と内心つっこんでおりました。


 
 まあ、ですが、無理ではなかったんですけどね!



 なんならちょっと余裕でリハーサルを終えて、本番までこぎつけたんですけどね!



 と、いうわけで、急遽の参加ながら、普通に、というか東京とはまた別の方向に進化を遂げ、さらに状況がクッソ面白くなっているというかなり貴重な公演です。


 正直、今この状況でこの公演を観られるというのは、かなり贅沢だと思います。




 なんていうんですか、「無人島に漂流した状態で『キャストアウェイ』を観る」みたいな……?

 
 「異世界に飛ばされた学校の中で『漂流教室』読む」みたいな?


「若い娘さんがいる下宿で友人と二人暮らしながら『こころ』を読む」みたいな?


 状況と作品がシンクロしているというかなり最高の状態であり、そしてこれはもう俳優としての自負をもって主張するんですが……。


 安心してください、急遽の代役だけど、俺はちゃんと仕事して、作品は問題なく面白いままです!


 かっこつけてるわけじゃなく、作品をちゃんと観に来てほしいから言います。

 急遽代役なのにすごい……なんて余計な手心加えられるまでもなく、作品は面白いし、ゲラゲラ笑ってもらえるコメディとして、さらに進化してます。


 9日まで京都のKAIKAという劇場で公演しております。

 関西方面に在住の皆さま、ぜひとも宣伝にお力を貸してください!

 そして是非ご来場ください!


 もちろん、今回の状況なしでも純粋に作品としてのクオリティ、めちゃめちゃ高い、コメディです。
 
 敷居の低い作品ですのでふらりと観に来て笑って帰ってください。


 最高にみみっちい時間旅行と、どこにでもある劇団の話です。


 http://tokikake2.agarisk.com/?page_id=242/#kyoto
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自殺について数字を読んだだけの感想

 故あって日本における自殺者数の統計を眺めてるんだけど、意外にも自殺する年齢って40代50代が一位だというのに驚いた。

 動機が判明している自殺の理由で一番多いのが「健康上の理由(精神病も含む)」だったので、よくよく考えれば確かに、体力の減少に伴って、とか、闘病の果てに、っていうのはわかるんだけど、自殺防止キャンペーンって若者向けにうたれているイメージがあったんで、素直に驚いてしまった。なんでも調べてみるもんですね。

 あと統計的なもんだけど自殺者数が減っているっていうのも意外だった。平成10年~20年が自殺者数のピークで、ここ数年は減少してるらしい。
 平成10年代が4人に一人が自殺していたのにここ数年はそんでも5人に一人の割合まで減っている、らしい。

 あと男性が多い。圧倒的に、全年齢において男性の方が自殺者数の割合が多い、みたいです。

な ので40~50代の男性でなんか思い悩んでる人がいたら要注意だなーと思いました。


 まあ、らしいらしいと曖昧な語尾が続くんだけど、なにせ数字の上のことなので何とも言えない。
 でも自殺者数が減っていて、人口における割合としては平成初期の頃に近づいているというのはもっともっと報道していいと思う。

 日本は自殺者数が異常だ! みたいなニュース、いや、確かにそうなんだけど、でもがんばってるじゃん。NPOとかNGOとか?周りの人とか社会の風潮とか色々あるんだろうけど。減ってきてはいるんでしょ、みたいなところ、もっと知らせてほしいなあ。

 貴重な休日に何を眺めているのだ、俺は。

MUではなくなりました

 2017年になりましたね。

 といってもすでに年が明けて十数日経ち、今さら明けましておめでとうでもないのですが。

 さて新年早々、所属劇団であるMUを辞めました。

 辞めたって言うのもなんですね……。抜けた、退団した、脱退した、色々言い方はあると思いますが、とにかく古屋敷悠は2017年よりMUではなくなります。



 劇団というのは、これはある意味奇跡のような集団でして。

 会社でも家族でもなくただの個人の集まりが、目的を同じくして創作・表現活動をするというのは、経験のある方ならその難しさを分かっていただけると思います。

 表現や創作の源になるものは、個人の中にそれぞれ違う形であるものだと思いますが、それらをひっくるめて劇団というのは一つのところを目指し、作品をつくっております。
 当然、個人が抱えている表現の欲求と劇団が作り上げる作品の完成形が重ならないことなど往々にしてあります。
 むしろそれこそが楽しかったり、だからこそ素晴らしいところに到達できたりするのですが。

 今回、MUを抜けるにあたっての一番の大きな理由は、僕個人としての表現・創作の欲求がMUの一員としてのそれより大きくなり、自分個人の創作活動を優先したい思い始めたからです。



 MUの公演を初めて見たのは上京してすぐの、19歳の頃でした。
 まだ演劇のなにもかもわからず、自分が観たいもの、演じたいもの、作りたいものをどうやってどうすれば形にできるのかわからなかった当時、MUの作品に触れそれをめちゃくちゃ面白いと思うと同時に、ここに関われば自分の作りたいものをどうやって作ればいいのかがわかるのではないか、ヒントだけでもつかめるのではないか、そう思い、制作助手募集に応募しました。

 それから、あれよあれよと、演出助手をするようになり、フリーの役者になり、役者としてもMUに出演するようになり……気が付けばMUの一員として、劇団員として活動をするようになっていました。

 19歳だった僕も今や27歳、約7年強の歳月をMUと関わって過ごしてきました。

 劇団員になるよりもずっと前から、僕のホームグラウンドはMUであり、演劇の、演技の出発点はMUだと思ってやってきました。そしてそれは今でも変わりません。

 演技についてはもちろん、創作について、表現について、アユムさんから、MUから、本当にたくさんのこと、大事なことを教わりました。

 それらを学んでいくにつれて、段々と自分の中でやりたいこと、作りたいものが明確になっていき、ふと気が付くと、自分が観たいもの作りたいものを作るために、どうやって、なにをすればいいかが僕にはぼんやりとわかるようになっていました。


 そして「自分で作品を作りたい」という欲望がふつふつと心の奥底から湧いてくるようになったのです。

 僕の中にある世界を僕の手で作り上げたい、という欲望に従い、不格好ながらもいくつかの作品が出来上がり、拙いながらも自分にはそれができるのだとわかると、もっともっと作りたい、もっとすべてをそこに費やしたいと思うようになってきました。

 自分でも迷いましたが、すでに心は決まっていました。
 MUとして、集団として作りたいものは確かにある。けれども、今は、それを差し置いてでも自分の作りたいものを全力で作りたい。
 考えに考えた結果、そういう気持ちがあるのにこれ以上劇団員としてMUの活動を続けていくことはできない、という結論に達しました。

 アユムさんに話したところ、それを応援する、とむしろ喜んでくれたのは本当に嬉しかったです。
 新メンバーである他の三人も同様に、僕のわがままを快く受け入れてくれました。
 
 そんなわけでの退団です。

 いくらMUを辞めたといっても僕の創作の最初の部分にMUの日々があるのですから、僕にとってMUが切っても切れないものであることは変わりません。

 これからも僕はMUの活動に一喜一憂することでしょうし、一番のファンとしてMUの動向を追い続けると思います。



 もちろん、役者を辞めるわけではありません。
 むしろ今まで以上に、劇団という後ろ盾がなくなったからこそ役者として精力的に活動しなければいけないと思っております。


 今回の退団、僕はなんというか「独立」のようなものだと思っております。


 MUに育てられるようにして勉強してきたこの数年の僕から、MUを飛び出して個人の古屋敷悠として何ができるか、どこにいけるのか、それを試す時期なのだな、と一人勝手に思っております。


 まずは夏ごろ、盟友ツチヤヤスヒコと二人でとある企画を進めているところですので、また何かしら告知できればと思っております。

 これからも古屋敷悠とMUの活動にワクワクしていただければと思います。

 どちらも面白いことになると思っております。


 様々な不安はあれど、今のところ「前途は洋々としてブルーであります。」


 

世は大インターネッツ時代

 今まで鎖国していたのかというぐらい色々な情報、色々な技術やシステムから遠ざかって暮らしておったのだと最近実感してます。

 いや、NetflixとGoogle Play Music加入しただけなんですが。

 そのままにしてたらなるようになっちゃうよ、ってのは電気グル―ヴの言葉ですが、いつのまにかそのままにしていてなるようになっちゃってましたね。

 特にGoogle Play Musicやばいですね。
 日本の古い曲なんかはそれほどでもないですが、ワールドミュージックは本当にマイナーなところまでカバーしてくれていて、落としまくり聴きまくりです。

 ああーすげえなー。

 こんな情報の奔流にさらされて私はどうなってしまうのでしょう。すごいことになっちゃいそうです。
 来年はすごいことにしたいです。

日本人の日本人による日本人のための映画/『シン・ゴジラ』

 各所で話題の『シン・ゴジラ』を観てきました。

 立川での爆音上映。初の爆音体験も相まって素晴らしい鑑賞ができました。
 間違いなく、今まで観てきた映画において最高の体験をさせてもらい、衝撃を受け、呆然としたまま今に至ります。
 『シン・ゴジラ』について、誰かに説明しようとすれば僕は「やばかったです」「すごいです」「とにかく観てください」の三つしかほとんど口にできない。
 ネタバレを避けたいというのが一番の理由で、これはネタバレによる話の流れの事前把握を避けるということではなく、リアルタイムで事態を認識していく楽しさ、スリル、スピード感を損ないたくないためです。
 それほどにこの映画は「その時・そこで起きている」感が強い。凄まじい。
 映画館を出て薄暗くなり始めた立川の街にゴジラの陰も破壊の後も見つけられなかった時に違和感を抱いたほど。自衛隊機が市街をすり抜けて進行していく際に「自衛隊は優秀だなあ、東京市街での運用は初めてだろうにこうもスムーズに運転できるのだから」と考えた直後「いや、これは映画だった、現実じゃなかった」と気が付いたほどでした。

 実はこの頭の悪い三つの言葉でしか表せない感想も、それぞれに意味があり、
「やばかったです」というのは「映画の中で起きていることの凄まじさが想像以上にやばい」ということで、
「すごいです」というのは「現代の邦画でここまでのクオリティの作品が完成したことがすごい」という意味で、
「とにかく観てください」というのは「映像を目撃した時の衝撃が凄まじいので、とにもかくにも観ないとその点が伝わらない」ということなのです。


 感想を簡単に言うならば、本当にこれは「日本人の日本人による日本人のための空想科学超大作映画」であり、我々日本人がずっと観たかった映画だと思う。
 ツイッターでは『インデペンデンス・デイ』に言及したけども、アメリカ人にとっての『インデペンデンス・デイ』が日本人にとっての『シン・ゴジラ』になっていくのだろうと思った。

 これはジャンルに関わらず日本の映画界として渇望していた映画だったんじゃないだろうか。

 有名俳優を起用しながら、いわゆるスターやアイドルの力に頼り切らないキャスティング。
ある意味で射程が狭いと思われていた「怪獣映画」にこれだけの人を動員した作品そのものの魅力。
いわゆる「絵空事」でありながら細部まで作り込むことによりそれを現実へとひきよせた制作陣の努力。

日本映画不振の原因をことごとくつぶし、実現させていってくれた。まさに快挙ともいえる作品。
日本のエンターテイメント、日本の映画はまだまだやれるのだと思い知らせてくれた。素晴らしい作品。

『シン・ゴジラ』について語る言葉は尽きることがなく、みんなそれぞれに思うところがある。何故かと言われればこの映画が「どこかで起きている、誰かの考えた絵空事」ではなく、「誰もが考えるような出来事が自分が居るすぐそこで起きているというリアリティのある虚構」だからだと思う。
 これは我々の物語だ。ハリウッド超大作でも、漫画や小説世界の実写化でもなく
我々の現実と少しずれてはいるがすぐそこに存在している物語だ。
 だからみんながこの映画に揺さぶられ、語ってしまう。
 すごいことであり、そしてこれが映画というものの底力なのだと思う。
 この映画を今の東京でリアルタイムで見ることができて本当に良かった。
 


 ということで僕も色々語りたいことはあるので、それはまた別にまとめようかと思います。
 もう一回観たいなあ。
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ツイッター @fullyashiki 名義でやっております。

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